未来に備えて…艦長居住区とTwitch機能の廃止
2017-07-12 14:05 By CCP Falcon
来年の5月、ニューエデンの15回目の誕生日を祝うとともに、20年目のEVE Onlineに向けた動きがゆっくりと始まります。
20年目を迎える下準備として、開発チームは長期的な開発環境を整えるためのクライアントのアップデートと最適化を検討してきました。
この取り組みにはクライアントの現状評価や、各種機能、ユーティリティの使用状況を確認する作業も含まれています。そうした作業の結果、艦長居住区とその周辺技術について幾つかの問題が浮かび上がりました。
現在、艦長居住区を維持するために毎年2~3回の集中作業、あるいは4~6週間の時間をかけてメンテナンスを行っています。担当しているのはCCPアイスランドのアートチーム、Team Trilambdaです。
チームはステーションハンガーのビジュアルを改良するたびに、ハンガーと居住区に費やす作業時間を調整しなければならず、おまけに改善したハンガーは居住区に組み込まなければなりませんから、作業量とメンテナンスにかかる時間がひどく増えている状況です。
さらに、艦長居住区を構築するために使われた技術も悩みのタネとなっています。CCPのソフトウェアエンジニアが居住区を確認したところ、使用されているコードとミドルウェアの古さが目立ち、これから居住区を改良するとしたら、既存の内容をすべて削除して一から作り直さなければならないという結論に至ったのです。
艦長居住区の使用状況をチェックした結果、現在の居住区を維持するために使われている作業時間は、この機能を利用しているプレイヤーの数と比べて著しく不釣り合いであることが分かりました。
◆グラフ!
次のグラフは過去30日間にログインしたプレイヤーを対象に、ハンガーと居住区のどちらがデフォルトに設定されているかを集計したものです。
次のグラフは居住区利用率の推移です。今年1月の時点では10%でしたが、今では3%にまで低下しています。
「Ascension」エクスパンションが実装され、艦長居住区がデフォルト設定となっている新規プレイヤーが流入したおかげで、利用率が急に増えた時期もありました。しかし、2017年に入ると再び減少傾向が始まりました。
また、「Citadel」エクスパンション実装時と数ヶ月後を比べても、利用率が劇的に減っていないのも興味深い点です。
これはつまり、艦長居住区が利用できないシタデルへ引っ越すことを選んだプレイヤー達のあいだでは、居住区ではなくハンガーを使うのが当たり前になっていたということを意味します。
次のグラフはプレイヤーが艦長居住区とステーションハンガーで過ごしたプレイ時間を集計したものです。
居住区使用率が長い時間をかけて漸減しているのは確かですが、特に最近の利用率減少に関して言えば、シタデル入港時のデフォルト設定切り替えが影響している可能性があります。シタデルには居住区がないため、デフォルト設定が自動的にハンガーに切り替わるようになっています。
◆今後について
艦長居住区の利用状況とメンテナンスにかかる時間、そして使用されているミドルウェアと技術の古さが将来的な発展を阻んでいるという事実を考慮し、私たちは8月リリースで居住区を廃止することを決めました。
艦長居住区の廃止によって自由になる作業時間は、長きにわたる素晴らしい未来を実現するため、クライアントやグラフィックの改良作業に使われます。Team Trilambdaも居住区から解き放たれ、ニューエデンのより本質的な部分…宇宙や宇宙船により多くの時間を使えるようになるでしょう。
◆どうして艦長居住区をアップグレードしないの?
艦長居住区の基礎となっている技術は2010年に導入されました。その中にはCCPが独自に開発した部分もあれば、もはやサポートされていない古いミドルウェアに由来している部分もあります。
艦長居住区を最近の技術的水準まで引き上げようとすれば、だいたい6~8ヶ月の作業時間が必要になります。本質的なゲームプレイのビジュアル強化に使える時間をそんなにも費やすとは、この機能を利用しているプレイヤーの数を考えると合理的な投資とは言えません。
先ほど説明したように、現在の艦長居住区はすべてをクライアントから削除し、何もかも作り直さなければならない状態なのです。
◆アパレルはどうなってしまうの?
艦長居住区は8月リリースで廃止されますが、アバターを3Dで眺める機能は情報ウィンドウから使い続けることができます。
また、今までと同じように、キャラクターの外見はステーションサービスパネルからカスタマイズできます。
プレイヤーが現在所有しているアパレルもそのまま使用でき、他のプレイヤーに見せることもできます。
現時点ではアバターを披露できる場所を増やす予定はありません。しかし、キャラクター作成システムやアバターシステムは何も変わらず、新規プレイヤー向けコンテンツの一部として維持され続けますので、今後まったく可能性がないわけではありません。
◆Twitch機能はどうなるの?
艦長居住区と同じようにTwitch機能の利用状況も確認しました。結果、この機能を利用しているプレイヤーはかなり少なく、こちらも9月リリースで廃止することに決まりました。
誤解されないよう言っておくと、私たちはEVE Onlineの配信者や彼らが作り出すコンテンツは全力でサポートし続けます。しかし、ほとんどの配信者はTwitch機能を利用していないようです。TwitchはOpen Broadcaster Softwareのような外部ツールで配信画面の一部を隠したり、カスタムオーバーレイを使ったりできますが、クライアントに統合されたTwitch機能ではそういったカスタマイズができないため、これは仕方ないことだったのかもしれません。
◆要約
艦長居住区は8月リリース、Twitch機能は9月リリースで廃止される予定です。これらの機能を廃止することで、かなりの作業時間を他のゲームプレイを開発するために使えるようになります。
自由になった作業時間の一部は新コンテンツを開発するために使われますが、大部分はグラフィックの強化やパフォーマンスと信頼性の向上など、技術面の改良に振り向けられます。
最初に取り組みたい計画の1つは、プレイ中にシステムメモリを有効活用できるよう、64bit版EVEクライアントを開発することです。これまでは艦長居住区に使われていた古いミドルウェアのおかげで、64bit版のコンパイルが阻まれていました。
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