アップデート等に関する総合感想スレッド

ハイセク宙域でのSuicide Gank(以下Gank)のリバランス案について投稿させて下さい。
また、新規プレイヤー獲得および定着の施策を検討するための情報として、データを取得頂きたい項目がございます。そちらも合わせてご一読いただければと思います。

◆1.問題の焦点

1-1.Gankの費用対効果のアンバランス

今日、ハイセクGankerの主力は、T2中性子ブラスター&Void弾を装備したいわゆる「Voidカタリスト」ですが、この艦船は極めて安いコストで高いDPSを投射する事が可能です。これは、Gankによく使用される他の艦船(HAMカラカル・Voidタロス等)よりも以下の点で非常に有利です。

  • 1dpsあたりの価格効率が非常に高い
    →HAMカラカルの2.7倍、Voidタロスの4.5倍、費用対効果に優れている。

  • 軸合わせ速度/ワープ速度が早く、標的への迅速な対応が可能
    →HAMカラカルよりも31%、Voidタロスよりも63%ワープインが早い。

  • 必要スキルが極めて少ない
    →1M招待スキルポイントのアルファアカウントで即搭乗可能。または約20日間のスキルトレーニングで搭乗可能。

そして、ウエダマ(Uedama)でGankするケースを試算すると、標的側の平均損害額(※)と、襲撃側の最低必要人数およびISKは以下の通りとなります。
(※平均損害額は、2022/6/1~6/17のハイセク宙域かつ、NPCキル・ソロキル・Jitaキルでないものを集計しました)



図1および図2より、Voidカタリストの運用により、極めて安い投資で大きなキル・リターンを得ることが可能です。
そして、この優秀な艦船に搭乗するためのキャラクターは、1M招待スキルポイントを受諾したアルファアカウントで即時作成する事が可能です。招待スキルポイントが無い場合でも、およそ20日間のトレーニングで十分です。
このため、Gankerの費用対効果は極めてアンバランスであり、是正されるべき余地があります。

また、この艦船と装備はアルファアカウントでも使用できるため、SSが低下したキャラクターを削除し、新たにキャラクターを作成してGankに投入する事が可能です。
もし、(ゲームの売上に貢献しないアルファアカウントで)キャラクター作成と削除を繰り返してGankを行うプレイスタイルが横行しているのであれば、オンラインゲームのプレイスタイルとして健全な在り方ではないと言えましょう。

1-2.「CONCORD Pulling」によるCONCORD応答時間遅延の問題

過去のフォーラムでも話題になりました通り、CONCORDをシステム内の別グリッドにスポーンさせた状態で犯罪行為を行うことで、CONCORDの到着時間をおよそ6秒遅延させるテクニック、通称「CONCORD Pulling」は合法化されています。

このため、今日のウエダマ(Uedama)等宙域では、「CONCORD Pulling」を行ってから標的をGankする事が定石となっており、本来設計されているゲームシステムよりも有利な状況で、Gankを行う事が可能となっております。
本件は即時修正されるべき事象です。

しかしながら、GM Arcadeの投稿にて・・・

いくつかのCSMメンバーは、このポリシーの変更が日常のゲームプレイ活動に与える影響について懸念を表明しました。
(中略)
CONCORDの「プル」またはCONCORDの防御的なスポーンは現在許可されていますが、将来的にこれを変更する権利を留保します。

との事であり、(私の見立てでは)CONCORDのスポーンロジックはサービス開始時期から存在している処理であり、今日においてはレガシーコード化してしまい修正が著しく困難である・・・という事情が推測されます。
このため、ロジックそのものの修正ではなく、単に到着時間の算出を微調整する内容として、改善提案をさせて頂きます。

1-3.異なる志向を持つプレイヤーに対する価値観の強要

ハイセクでのGankは、生産やPVEを好むプレイヤーの活動を妨害するという事であり、ゲームプレイのモラルに反しており、ハラスメントに相当します。
(例えば、ひたすらPVPを楽しみたいプレイヤーに対し、毎日2時間のラッティングを命じたり、ブループリントと生産キューの管理とストラクチャの燃料輸送を命じたら、とてつもなく嫌がられますよね?)

他プレイヤーに異なるゲームスタイルを強要されるべきではないし、万が一、屈辱的な方法でそれを強要されたならば、相応の手段を以って報復が為されるべきです。
しかしながら現行の環境では、その報復手段が機能しておりません。(項番1-4に続きます)

1-4.報復手段である「殺害許可」がほぼ機能していない

ハイセクでGankを行ったプレイヤーには「殺害許可」が発行されます。本来であればこれが被害者側の報復手段となるはずですが、殺害許可を行使(または購入して行使)しても相手プレイヤーに容疑者フラグが付くだけであり、即時ステーションドックやゲートジャンプにより逃走する事が可能です。
また、そもそも合法的に他プレイヤーを攻撃できるローセクやヌルセク宙域に逃げられた場合は、「殺害許可」はほぼ無価値になります。

1-5.プレイヤーのSSが単なる飾りと化している

現状、SSがマイナスになっても大きなペナルティになっていません。
SSが-10.0に達している「銀河のお尋ね者」プレイヤーでもジタ4-4に入港し買い物する事が可能であり、かつゲート近傍のストラクチャでテザー状態になり、次なる獲物を待ち伏せすることができます。

つまりこれは、例えるならば、サンシャ・クヴァケイがカルダリの首都に出入りして繁華街の屋台でビールとホットドックをエンジョイしながら次なる奴隷を物色しているようなものです。

このような事態が許されて良いのでしょうか?
CONCORDの職務怠慢ではないでしょうか?



◆2.改善案

2-1.アルファクローンに対する制限を追加

  • (現行) アルファクローンはセーフティレッド可。

  • (改善後) アルファクローンはセーフティレッド不可。

セーフティレッドが必要な場面は、範囲攻撃兵器の使用・ハイセクでのGank・ローセクでの限定交戦フラグが成立していない相手のPODキル等に限られます。

このため、セーフティレッド不可とした場合でも、Gankを行わない通常のアルファアカウントプレイヤーが制限を受けるコンテンツは極めて微小です。
※さらにこの変更により、Gankを行うキャラクターは、オメガアカウントの支払いという事実によって、ゲームの売上と存続に貢献しているという名誉を得ることができます。



2-2.CONCORDの到着時間を3割改善する

  • (現行) 到着時間(s)= (1-システムのSS)^2*100

  • (改善後) 到着時間(s)={(1-システムのSS)^2*100}*0.7

fig-3b

試算の結果、CONCORDの到着時間を30%短縮すると、各星系の到着時間はおよそ5秒~8秒短縮されます。(SS0.5星系が0.6星系相当になります)

本件は、Gankerのリスク・リターン比の改善であると共に、前述した「CONCORD Pulling」問題に対する代替案となります。


2-3.殺害許可の効力を改善する

  1. ハイセクで付与された殺害許可の有効期間を360日に延長する。(現状は30日)

  2. 「自分が持つ殺害許可」欄に、対象プレイヤーのログイン状況と現在の居場所を表示させる。

  3. 全カプセラに向けて販売された殺害許可情報(価格・プレイヤー名・ログイン状況・現在位置)を、APIで取得できるようにする。

  4. 殺害許可行使時に、60秒間の兵器タイマーを付与する。

※1~3により、「被害者が加害者に報復する」「善良なPVPプレイヤーが犯罪者を追跡して撃墜する」というコンテンツを可能にする。

※4により、殺害許可行使時にステーションドック・ゲートジャンプ・ワームホールによる逃走を困難にさせる。


2-4.マイナスSSプレイヤー(A案/B案のどちらか)に対するハイセクNPCステーション入港禁止、およびストラクチャからのテザリング禁止

  • A案) 対象は、アウトロープレイヤー(SS-5.0以下)とする

  • B案) 対象は、下図の通り既存の各国海軍からの制裁対象プレイヤーとする
    fig-4

※ハイセクGankの労力を増加させる事でリスク・リターン比を改善すると共に、マイナスSSプレイヤーは本当の意味での「銀河のお尋ね者」となる名誉を得る。

※クローン兵士タグの需要が高くなり、より多くのプレイヤーがローセクへ進出するきっかけとなる。



◆3.データ抽出の要望

今後の、Gankerの更なるリバランス、および新規プレイヤー獲得の施策を検討するための情報として、以下データの開示を希望します。

①ハイセクGankによりモチベーションを失ったと推定されるプレイヤーの数

抽出条件例)キャラクター作成日から最終ログイン日までの期間が1年以内であり、かつ1ヵ月以上ログインしていない、かつSSが0.0より高い、かつ1回以上ハイセクで他プレイヤーからキルをされた事のあるプレイヤー数。

②アルファアカウントの導入で増えたGankerの数

抽出条件例)アルファアカウントであり、かつSSが0.0より低い、かつハイセクで他プレイヤーを10キル以上しているプレイヤー数。

③アクティブなオメガアカウントであるGankerの数

抽出条件例)キャラクター作成日から1年以上経過しているオメガアカウント、かつ最終ログイン日が3日以内であり、かつSSが0.0より低い、かつ直近1年間でハイセクで他プレイヤーを100キル以上しているプレイヤー数。

④キャラクター削除されたGankerの数

抽出条件例)ハイセクで他プレイヤーを10キル以上しており、かつSSが0.0より低い、削除済みのキャラクターの数。

⑤ハイセクGankerがEVE経済に貢献しているというエビデンス

例)Gankによるハイセク宙域の合計ロス金額と、ロー/ヌル/ワームホールの戦闘による合計ロス金額との差・比率など。


近年はオンラインゲームの一般化により、特にライトユーザーの参入によりPKを受ける事に納得できないプレイヤーの割合が増加しています。その為、MMORPG運営会社はより多くのユーザー獲得と維持の必要性から、PKを行えない仕様を採用する傾向となってきております。

EVEONLINEもまた、PKに対し旧来の方針のまま運営を続けていくべきか否か、考慮すべき時が来ていると思います。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討のほど宜しくお願い致します。

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